中村暢宏さん(獣医学研究者)

2017年に酪農学園大学獣医学類を卒業後、都内動物病院にて臨床獣医師として2年間勤務しました。その後は酪農学園大学大学院へ進学し2022年に博士号(獣医学)を取得しました。博士号取得後は国立感染症研究所、麻布大学などでポスドク研究員としてバクテリオファージ、薬剤耐性菌感染症、腸内細菌の研究を行っており、2024年3月からは日本学術振興会特別研究員CPDとしてアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校に客員研究員として留学中。

研究の仕事は論文という形でその成果を見ることができますが、自分の研究やその経験が私たちの実生活に直結するといったことは滅多にありません。しかしながらVVLを通して様々な専門家の方とコラボレーションすることで、自分の知識や経験を私たちに身近な動物業界・獣医療業界の発展に貢献できればと思っております。

現在私は研究者でほとんど動物に触れることはありませんが、大学卒業後は犬猫を診療する臨床獣医師として動物病院に勤務していました。ですので、主に研究者という立場で意見を求められることが多いですが、臨床現場の状況もスムーズに理解することができ、全体像を俯瞰しながら物事を考えることができました。

研究者が普段自分の研究領域以外の人や機関と関わることはほとんどなく、いわばとても閉鎖的な空間に身を置いています。しかし、VVLで臨床獣医師や他業種の方とコラボレーションすることで、自分にはない視点・考え方に触れることができ、時にはそこから研究アイディアが思い浮かぶことも。自分の知識や経験を役立たせ、さらに自分が成長できる場だと感じています。

自分が主に携わっている基礎研究分野と、臨床現場や企業等私たちの身近な存在とを橋渡しするようなプロジェクトを通してより良い動物業界・獣医療業界を築く一助になれればと思っております。